ワンちゃんやネコちゃんと一緒に生活をしていると、人間と同じ食べ物はどれでも食べられそうに感じてしまいますが、中には、与えてしまったことで死に至る食べ物や、すぐに死に至るわけではありませんが、控えた方がいい食べ物があります。
人間に比べて体の小さいペットたちは、体の中に占める食物中の成分の割合が高い為に、個体差はあるものの少量でも深刻な健康問題を引き起こすことがあります。ペットの健康管理は飼い主であるあなたが握っています。
食べ物に関しては、わずかな知識と努力で危険を回避することが可能です。
人間と同じく高齢化が進むペットの世界。家族の一員として、事故や病気を防ぎ、共に幸せな時間を過ごしたいものですね。
アリルプロピルジスルファイドという物質が、赤血球のヘモグロビンを破壊します。これにより溶血性貧血等を引き起こしますので、ネコ・イヌ・ウサギ等の動物にネギ類は与えてはいけません。この成分は、加熱しても毒性は消えず水分に溶け出すので、タマネギ入りのみそ汁のタマネギだけを取り除いても危険度は低下しません。個体差がありますが、わずかな煮汁でも、中毒をおこし死亡することがあるのでご注意ください。
カカオの成分であるデオブロミンが中枢神経を刺激し、下痢、嘔吐、けいれんなどの中毒症状が起こることがあります。チョコレートは、食卓やリビングについ置き忘れてしまうこともあるので、普段からの心がけが大切です。アニコム損害保険株式会社さんの調査結果では、バレンタインがある2月に犬のチョコレート中毒が急増しているというデータが出ています。
http://www.anicom-sompo.co.jp/company/news/news_0120124.html
ガムや飴に含まれるキシリトールを摂取すると血糖値低下を引き起こし、将来的には肝臓障害を引き起こします。チョコレート以外の甘いお菓子も糖分が高いので、ペットの手の届かない場所置くようにし、ペットがつい食べてしまったという事故がないようにしましょう。
テーブルの上に置いていた風邪薬や頭痛薬など、ペットが誤飲する事故が多発しています。
鎮痛剤に含まれるアセトアミノフェンやイブプロフェンは、中毒症状や腎臓障害を引き起こす可能性があります。また、人間用のサプリメントは、含有量がペットに適しておらず、危険性も未知数なので控えましょう。
サザエさん効果もあり、“ネコと魚”はセットのような気がしますが、生魚は、ビタミンB1を破壊する酵素があり、食欲不振・痙攣などの症状を引き起こします。また寄生虫に感染する恐れもあります。
加熱調理により酵素が働かなくなるので、かならず加熱するようにしましょう。
生の鶏肉や豚肉は、トキソプラズマなどの寄生虫の問題があり、猫から人に感染する可能性があります。特に妊娠中の女性が感染すると、胎児も感染し、流産、死産の要因となることもあります。
また、猫がアワビ・トコブシ・サザエ等の貝類を摂取すると、光過敏症という皮膚の炎症にみまわれる場合があります。
アメリカ動物虐待防止協会(ASPCA)の動物毒コントロールセンター
(http://www.aspcapro.org/mydocuments/q.pdf)によると、レーズンやぶどうを大量に摂取すると、急性腎不全が発症して最悪の場合は死に至ることがあるそうです。特に犬の方が危険性が高いとされています。
レーズンパンなどにもご注意を。
人間にとっては、胃や腸など消化器官の調子を整えたり、肝臓の機能を強めたりと、様々な効能があるスパイス類ですが、ペットにとっては必要がありません。下痢・嘔吐を引き起こし、消化不良の原因となる場合もあります。
アボカドに含まれるペルジンという成分が中毒を引き起こします。ペルジンは実だけでなく、葉や種子に多く含まれています。特に、体の小さいフェレット・ウサギ・鳥・ハムスターなどにはとても危険です。
カフェインの成分のテオグロシンは心臓血管や中枢神経興奮に作用し、下痢、嘔吐、けいれん等を引き起こします。心臓系の病気が発症しやすい犬種は、特に注意が必要です。