私たちの生活に潤いと安らぎを与えてくれるペットの存在。
大切な家族であるペットから、あなたはたくさんの喜びをもらう事ができます。
家庭内だけではなく、近年では、ペットがもつ“癒し”の心理的効果を使った治療法 アニマルセラピーが医療現場で注目されたり、ペットを介したコミュニケーションが対人関係を円滑にしたりと、社会の中でもペットと私たちが関わることは様々な効用を持つとされています。
このような様々な利点をもつペットですが、生き物を家族として迎え入れることは、命を預かる大きな責任が伴います。社会のルールを守り、ペットが寿命を終えるまで世話をする事は、その背景にこなさなくてはならない課題がたくさんあるのです。以下では、その課題をリストアップし、自分がペットを飼う前に最後まで責任を持ってペットを飼えるのかを考えてみましょう。
ペットは種類によってその習性や寿命、好む生活環境が異なります。
食べさせてはいけないものやかかりやすい病気の予防法などを、事前にネットや獣医師、本などで調べておきましょう。珍しい動物は、飼育に関する情報が少ない上に、未知の病原菌を持っている可能性や、病気の場合の治療法が確立してい場合がありますので、注意が必要です。
とってもかわいいペットですが、生き物ですのでフンもしますし、部屋を汚す事もあります。犬であれば、散歩の必要があり、たくさんの運動量が必要な大型犬は飼う側にも体力を求められます。
現在のご自身のライフスタイルでペットを飼い続ける事ができるのか?
出来ないのであれば、ライフスタイルを変える事ができるのか?
等をじっくり考えてみましょう。
また、猫も犬も10〜15年生きます。人間ほど見た目の変化は見られませんが、ペットも人間と同じように年を取ります。中には介護が必要となるペットも出てくるかもしれません。
ペットの生涯をみとどける覚悟も必要です。
最近のブームをうけて、ペット可の集合住宅が増えてきましたが、小型犬に限る場合や諸条件が定められている場合がありますのでチェックが必要です。壁一枚を隔てて複数の世帯が生活するマンションやアパートでは、鳴き声や匂い等が近隣の迷惑にならないような細やかな配慮を要します。
一戸建ての場合は、借家の場合には大家さんの許可や、ペットの種類や大きさに合わせた飼育スペースを確保しなくてはいけません。
毎日の餌やケージ、トイレ用品はもちろんのこと、ワクチン接種や不妊去勢手術の費用、予期せぬけがや病気など、ペットを飼うには意外に出費がかさみます。アニコム損害保険株式会社さんのペットにかける年間支出調査では、ペットにかかった年間費用は、犬で約32万(2011年調べ)、猫で18万とのこと。
10年の寿命と仮定すると、一生にかかる費用は、上記の費用×生きる年数=320万となり、とても高額となってしまいます。
新しい家族としてペットを迎え入れるには、経済的な負担をあらかじめ見据えておく必要があります。
※ 参考資料
アニコム損害保険株式会社
毎年恒例! ペットにかける年間支出調査 犬の病気やケガの治療費が前年比131%、猫も110%と増加。
http://www.anicom-sompo.co.jp/company/news/news_0120124.html
家族がいる家庭でペットを飼っている場合は、家族の協力が不可欠となります。ペットの飼育に反対する家族がいると、ペットがストレスを感じたり、社会性が阻害されたりします。
また、残業や出張、病気等でペットの世話ができない場合に、家族で協力してペットの世話をすることで、円滑にペットと暮らす事ができます。
家族の中にペットアレルギーを持つ人がいないことも重要です。
ペットの毛や排泄物などに反応し、咳や鼻水、皮膚のただれ等の症状が出る場合がありますので、前もって医師に相談するなどしてください。
上記の課題の解決法が見つからないのであれば、飼う時期ではないと判断するのもペット好きの証拠です。
逆に責任が持てれば、ペットとの楽しい生活が待っています。飼い主が与えた愛情はペットにも伝わり、全身であなたを慕ってくれます。疲れたときでも、その愛らしい仕草で疲れが吹き飛んだり、気持ち良さそうな寝顔に癒されたりと、ペットとの時間はあなたの生活を豊かにしてくれるでしょう。
そして、社会生活を守り、ペットと共生する事は、飼い主が一方的に、見た目やその仕草を楽しむ為のだけのものではなく、人生においてかけがえのないパートナーとなり得るのです。