九州大学の移転に伴い、発展が目覚ましい九州学研都市駅から徒歩3分のところに今年9月に開業された、
宇賀ペットクリニックさんにお邪魔しました。
カフェか雑貨屋かと見まごうばかりのおしゃれな外観から中にお邪魔すると、大きな窓から太陽の光が受付のカウンターに降り注ぎ、待合室を心地よい空間にしてくれています。
飼い主さんに落ちついて話をしていただく為に、いかにも病院といった無機質な雰囲気にしたくなかったという宇賀院長。こういった雰囲気なので「なんのお店ですか?」と尋ねる通りがかりの方もいるんだとか。
将来的には、広い待合室を利用して、パピークラスを計画されているそうです。
宇賀ペットクリニックは、宇賀院長と、奥様で獣医師の静江さん、動物看護師さんの3人で営業されています。
元々、宇賀院長が獣医を志したのは、小さい頃の実家での体験が影響しているそうです。
宇賀院長が幼い頃、家にやってきたかわいい子犬。
どうも体調が悪いということで、動物病院に連れて行くも、既に手遅れと診断され原因不明で1週間程で亡くなってしまったそうです。
当時は、獣医療が現在ほど発達していなかったせいもありますが、そのときの自分がどうしていいのか分からなかったモヤモヤした気持ちが原動力となり、獣医を目指されたそうです。
一人一人の飼い主さんとしっかり話をしつつ、治療を進めたい
獣医療に関しては、あらゆる最高の治療を提供さえすればいい、というものではないとおっしゃる宇賀院長。それぞれ違った考え方や生活環境を持った飼い主さんがいるので、その飼い主さんの要望を汲み取り、心から納得していただける治療を提供したいとおしゃっていました。
地域の獣医さんとの連携も大切にされており、つながりのある獣医さんと連絡をとり、病気の症状について意見を聞くこともあるそうです。一つの病院を受診することで、複数の意見を聞けると思うと、飼い主さんとしては心強い限りです。
また、副院長の奥様・静江さんの得意分野が心臓等の循環器科、宇賀院長の得意分野ががん等の腫瘍科と異なる得意分野をカバーしているので、幅広く対応していただけるそうです。
とはいえ、自院で経験が少ない症例に関しては、その症例が得意な病院を紹介することもあるそうです。
人間の医師と違い、一人の獣医が外科や内科、その他の区別なくすべて診療しないといけない動物医療の世界とはいえ、得手不得手があるのは事実。自院ですべてを抱え込むのではなく、ペットの体を一番に考え、その都度、適切な判断をしていただけるのは有難いですね。
獣医になってよかったことは?
- 宇賀院長 ー
- 完治して帰っていただくことが、もちろん一番うれしいのですが、動物を通して患者さんと話をすることで、一緒に生活していくような密接な関係を築くことができます。こういうことは、獣医になったからこそ味わえることかなぁと思っています。
飼い主さんにお願いしたいこと
- 宇賀院長 ー
- 日頃から、ペットとスキンシップをとってください。
動物の世界も高齢化が進んでおり、現在、ワンちゃんの死因の1位が「がん」となっています。そして、ワンちゃんにできる腫瘍のうち、約4割は皮膚に出来る腫瘍です。普段から、しっかり体を触ってあげることで、早期に腫瘍を発見することができます。 - 取材に伺った日は、朝7時から急患の手術があったそうで、大変お忙しい中時間をぬってご対応していただきました。清潔で明るい院内ではゆっくりお話を聞いてもらえ、ペットに関してとても親身に相談にのってくれますので、安心してわんちゃん、ねこちゃんを預けられますね。
- 宇賀院長 ありがとうございました!
宇賀 崇雄 先生 PROFILE
- 出身大学
- 麻布大学獣医学部獣医学科
- 代診時代ー修業先
- 山口県周南市(橋本小動物病院)で1年、東京都八王子市(永井動物病院)で4年、
福岡県(長者原動物病院)で半年 - 役職・所属学会・所属協会・勉強会
- 日本獣医がん学会会員 評議員
- 休みの日の過ごし方
- ほとんどの日が、入院している動物たちの世話に追われるという宇賀院長ですが、たまに奥様と買い物を楽しまれているそうです。また、ご自宅で飼っている愛猫の、はまこちゃんと遊ぶことも。
ドクターインタビューは、日々動物医療に立ち向かう獣医さんに焦点を当て、
その想いをインタビュー形式でご紹介するコーナーです。獣医さんの想い・取り組みを、飼い主さんへ向けて発信してみませんか?ドクターインタビューに関しましては、一度お問い合わせください。